こんにちは。川中努です。

昨年末に、ディマティーニメソッド日本普及協会の喜多美里さんからご紹介いただいた本、村尾隆介さんの『小さな会社のブランド戦略』を読みました。




ボクたちのような中小零細企業は、”効率を追いかける商売”つまり、原価やコストを下げ、そして売価も下げ、限りない価格競争に入っていくと、大手に勝てる訳がありません。

そこで、”付加価値を上げる”ことが求められるのですが、そのために自分たち独自のブランドを確立していく必要があります。つまり、安いからではなく「あなたと取引がしたい」と言っていただけるための全てを磨いていき、小さくてもキラリと光る一目置かれるような経営をしていくことが求められているのです。

また折しも、2013年度に向けて、自分のミッションステートメントを作成する中で、使命や存在意義を持つことが”引き寄せの法則”を働かせる原因になる一方で、具体的な結果を揚げていくためには、もうひとつの”受け取りの法則”つまり、具体的な行動計画を確立させていきたいと考えているところでしたので、とても興味を持ちすぐに本を買って読んでみました。


合わせて、美里さんから、1月に東京で行われる村尾さんの『スターブランドCLUB』のシークレットセミナーへご招待いただけるということで、期待は倍に高まって本を読むことができました。

この本に書かれていることで、印象に残ったものを揚げます。

**********************************

・ブランドづくりはファンづくり。『あなたのビジネスに関わるすべての人がファンになるような、経営をしている会社』

・その会社に「引力があるかないか」の差は、「ミッション(使命感)」にある。・・会社の使命や、事業の存在理由をはっきりさせ、それを上手に(デザインも含め)世間につたえていくことは、小さい会社のブランディング上欠かせない重要なプロセスです。

・ミッションのある会社で働くのは楽しい。楽しく働く大人はカッコいい。

・そんな時代におけるビジネスで大切になってくるのが、会社のミッションは、事業の存在理由です。「誰のためになりたいか?」「どうやって社会に貢献したいか?」「何を成し遂げたいか?」といったストーリーを、受け手の胸にスッと落ちるような形で情報発信できている方が、その後、より多くのファンに支持される会社になる可能性が格段に高いのです。


・ビジネスは、間違いなく世界を良い方向に導くことができます。使命感のあるビジネスは、世の中を変えることができます。ビジネスにはその力があります。今までは、「会社=ずる賢い存在」「お金儲けは汚いこと」というイメージが、世間には少なからずありました。でも、これからは、「誠実で、強くて、しかも愛されている会社」の時代です。お金儲けが云々ではなく、「喜んでもらうのが仕事」という時代です。

・家事代行サービスのベアーズではフィロソフィを始め、マナー、行動規範、技術研修など、7つの研修のステップすべてを通過しなければ、仕事をスタートすることが、誰一人として許されないのです。・・またクレドを「ベアーズDNA」と呼び、それをカード化しています。そしてそれを用いて徹底した「仕事観の共有化」を行っています。社員はそのカードを常に携帯するのがルールになっています。・・とはいえ、決して職場がピリピリしているわけではありません。ベアーズのオフィスは笑顔に溢れ、経営陣とスタッフの座席も近く、その空気は極めてアットホーム。組織と言うより「成功を分かち合うチーム」と言った言葉の方が似あうくらいです。

・会社とは、そもそも「社会的な存在」であるべきものです。そして、事業というのは、本来何かしらの社会問題や業界の問題を解決し、誰かの「ラブ&ピース」や「より楽しい」「より便利」「より感動的」に役立っていなくてはなりません。つまり、「起業する」ということは、「自分なりのアイデアと方法で社会に貢献する」ということと、ほぼ同義語なのです。

・ビジネスバンク浜口さんはこう言います。「自立型のチームというのは、ミッションを軸にしてできているものです。経営者の強いミッション感と、会社の存在理由を徹底して考えることが、結局は、自立型のチームをつくるための近道になります」ビジネスバンクは徹底した仕事観の共有と、ミッションの浸透を、クレドを通じて地道に行うことで、見事に自立型のチームを完成させました。

・とつぜん大勢の前でマイクを渡され、「あなたの理想とする生活を5分間で話してください」と言われても、小さなブランド会社のオーナーは、聞いている人の頭にそのライフスタイルがくっきりと浮かんでくるように語りかけることができるでしょう。
生き方と働き方が一致している人は、会社のことでも、社会全体のことでも、理想像を描くのがとっても上手です。また自分の人生に強い関心があるので、普段から「自分なりの最高の生活」について、しっかり考え、イメージを持つことができています。
生き方と働き方が一致している人は、その時間をしっかり自分のために取ってあります。ときには、ひとり旅に出て”自分合宿”を行うなどの工夫をしています。

・壁はビジネスアイデアを思いつきた時ではなく、それを形にしようとしたときにやってくるものです。・・アイデアを形にする過程では、親心も含めて、それを阻止しようとするアイデアキラーが現われます。「やめておきなよ」「失敗するよ」。そんな声の数々を乗り越えるのも、起業術の一部です。私たちは、涼しい顔をしながら、信念を曲げずに前進をしていく「象の肌の持ち主」にならなければいけません。・・これをブレイクスルーするためには自己暗示です。「これこそ自分が生まれてきた理由」「これが自分の活躍する舞台」と、MYミッションを、とことん自身に擦り込んでいかなければ逆に情報社会に飲みこまれてしまいます。

・小さなブランドのオーナーたちは、少しでも時間の無駄を省くために、何かを行う前には必ず自分のミッションを頭に描き、「それは自分のミッションを達成するために役立つことか?」と自問します。そして、物事の優先順位を決めていきます。
いわば、自分のミッションを軸に生活しているという感じです。これは無駄な行動が無いということでもありますから、結果として、コスト効率の良い生き方ともいえます。

・小さなブランドを築いた人たちは、どんなに小さな世界でも良いので、まずは自分が定めた舞台で一番になることを大切にします。そして、そこで得たブランド力や信用力で、次のブランドや事業にコマを進めます。一つもブランドと呼べるようなものを築いていないうちから、次へは急ぎません。その方が、はるかに効率が良いことを知っているからです。

・小さなブランド会社の理想は「値段が多少高くても、喜んで支払ってもらえるようにする」です。価格を下げずに、価値を上げることで利益を生むのがスマートです。

・ブランドづくりは、一方でファンづくりでもあります。そして、ファンをつくるためには、「まずは自分たちが最高に仕事を楽しくすること」です。・・ブランド会社の社長やスタッフは、「自分たちもまたブランド」という認識を持って、実に楽しそうに仕事をする達人です。・・FUN=FAN「FUN(楽しい)」は、「FAN(ファン)づくり」につながるのです。

・「自分もブランドであるべきだから」と外見にもしっかり投資していく経営者では、1年後おのずと成果に違いがでます。とはいえ、値段の高い服や、いわゆる有名ブランドばかりを身につける必要はありません。・・「周囲にこう思われたいから、これを着る」「会社の雰囲気や事業内容がこうだから、これを着る」という具合に切り替えて、服選びや小物選びをしていくだけで、個人ブランディングの初級段階は十分です。・・「自分にはこういうミッションがあるから・・」と、ミッションを枕詞に、あくまでそれを達成するための戦略的ショッピングをしていくことが重要です。・・ブランド人になると決めたら、すでに「自分はブランド人」になったつもりで振る舞い、服や小物を選んでいくと良いかもしれません。

・スタッフをブランド化していくために最初のステップは、まず会社のミッションをスタッフに伝え、浸透させていくことです。そのためには、事業や会社自体が「なんのために存在しているのか?」「どうして自分たちが、それをやらなくてはいけないのか?」をスタッフの心に響く形で、文章にしていくことです。いわば「働く意味の明文化」です。この文言が200字程度にまとまっていると、今後も「伝える仕事」がとても楽になります。・・ひとつのことを伝えるのに、経営者は最低10回は同じことを繰り返さないといけないのです。「何回も言う」のが社長の仕事です。・・社長やマネージャークラスの人から率先して言わなくても、スタッフ同士が会議の中なので自発的に会社のミッションを口にしたら、それは浸透し始めている証拠です。

・小さな会社のブランドづくりには、社員をコントロールするのはなく、「成功を分かち合えるチームをつくる」という発想が大切です。・・社長が社長の仕事だけに集中できるようにするためには「自立型の組織づくり」を目標に、早い段階から動かなくてはなりません。
そのためには、社員のモチベーションアップ、ブランド力の維持、仕事観の共有を、なにかしらの方法で”仕組化”する必要があります。そこでおすすめしたいのがクレドです。名刺大のカードに印刷したクレドカードは、各スタッフに配布し、財布などに携帯してもらいます。そして、最大5名くらいのグループで、クレドだけに特化したミーティングを週1回程度開催します。地道ですが、これが継続されると、スタッフのブランド力は大きく変わります。

・ミッションを会社概要のみならず、名刺や封筒、ウェブサイトやハガキなど、会社のあらゆるものに印字していくようにしてみてください。・・ミッションが名刺などに印字してあれば、それを受け取った人から「御社のミッションって・・」と掘り下げて質問をされること必至です。となると、そのスタッフは嫌でも質問に答えなくてはなりません。この繰り返しこそ、実はトップダウンでミッションを伝えるよりも、はるかに素早くミッションを組織に浸透させる秘策です。
会社の対外的なブランディングではなく、スタッフなどに対して”内向きなブランディング”を行うことを「インターナル・ブランディング」といいますが、「オフィスの環境を戦略的に整える」という方法は、自社のミッションをスタッフに伝える手段としては、意外とパワーを発揮します(小さな会社はあくまで「お金をかけずにアイデアで職場環境を整えること」が基本となります)

・企業家に必要な「3つの力」・・1つめの力は「売り物をつくる力」です。言い換えれば、商品やサービスの開発力です。また業態によっては、価値ある商品やサービスを選んで仕入れる力です。2つ目に必要な力は「売り物を売る力」です。商品やサービスを販売する営業力や、市場に伝えていくための伝達力、コミュニケーション力が、この中に含まれます。そして3つ目の力が「管理する力」。会社組織には、人財・在庫・金銭関連など、管理すべきものが無数にありますが、仕事に必要なあらゆるものをマネージメントする力が、この「管理する力」です。

・「自分らしさ」を見つけるために最良の方法は、人から質問を浴びることです。「なんでこれをやるの?」「なんで自分じゃなきゃだめなの?」「なんでこの価格なの?」「どうして”今”じゃなきゃいけないの?」「Because・・」から始まる答えを、あなたが口にすればするほど、あなたのビジネスや、生き方・働き方は研ぎ澄まされ、誰が聞いても納得できるものに仕上がっていくはずです。(Wy?やHow?を友だち同士で聞きあうインタビューごっこをやってみる)

・ブランド戦略とは、この先行き不透明な時代に於いて、小さな会社が中長期的にビジネスを成功させるために欠かせない大切な経営の発想です。「小さなブランド会社をつくりためにいは、その事業が『経営者の生き方そのもの』といえるような、強い使命感のあるビジネスを展開すること」これこそが、本書で示したかった成功するため(幸せになるための)発想です。


*****************************************

このように非常にいまのボク自身にとって、スッと入っていく内容でした。また自分の生き方が働き方になつというのは、つまりOnとOffの境目がいい意味で曖昧で、遊んでいるが如く仕事が出来るというのは、ある意味、理想的な生き方でもあります。

そして、先日、村尾さんのスターブランドCLUBのシークレットセミナーに参加させていただきました。



快晴の東京・外苑前が会場でした





村尾隆介さんと

この日のセミナーも事前に本を読んでいたこともあって、とても興味深い内容でした。

村尾さんからは、7つの「K」で考える未来の読み方

「傾向」/「仮説」/「環境」/「好奇心」/「行動力」/「向上心」/「感動力」


それ以外にも、”偶然に任せてブランドはできない”として、1こう思われたいからこれを着る、2今年どんなイメージを強化するか(着地点)という意図をもって経営者がファッション性を磨くことの大切さも述べていらっしゃいました。

このことについては私も頷けます。確かに、社長は社員の憧れでもあると思います。

「この会社で頑張ったらなれる最高の姿」、つまり夢を社員に与えていくことが経営者の仕事でもあります。

従って、ダサい服を着た疲れたような経営者のもとで働くより、ファッショナブルで若々しく、イキイキとした経営者と働く方が社員の会社に対するプライドも高まると思います。

この日一番力を入れて話されたのが、Learning Organization(学習する組織)のための「社内大学」設置することでした。

さすが、村尾さん。トータルでブランドづくりをされているなと感心したのは、この日、バックミュージックでかかっていたのは、後半の話「社内大学」を意識して、アメリカのカレッジチャートで最も人氣が高いREM(アールイーエム)の曲でした音譜

今後、村尾さんとのお付き合いは深まっていくことを予感しながらセミナー会場を後にしました。

このご縁を繋いでいただいた美里さん、ありがとうございましたニコニコ




後日、会社に出ると、超多忙な村尾さんより、サンクスレターが届いていました。さすが出来る方は違いますね、ボクも見習いますビックリマーク