川中努BLOG
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新型肺炎に感謝できること
2020年02月20日
こんにちは。川中努です。
ご存知の通り、今日本では、新型肺炎の感染拡大に関するニュースが毎日の話題となっています。
子年は、人々の恐れという感情が広がる年になると聞きました。
そう言えば、ちょうど12年前の子年だった2008年は、アメリカ発のサブプライムローンに端を発して株価が大暴落。世界中に金融危機が波及した年でした。
前回のブログ「感謝ワークのすすめ」では、脳を上手に働かせることによって、望む人生に近づいていくヒントについてお伝えしました。
記事の中で、自分の身を守るための動物的本能を司る扁桃体ではなく、より人間らしく、長期的、かつ他者貢献的な視点で物事を見れる前頭前野を活性化するために感謝できることを書き出すことをお勧めしました。
そして文末で、自分にとって“支援”に当たるプラスの出来事に対して感謝を見つけることに比べ難しい、“試練”つまり都合が悪かったり、嫌な気持ちがしたり、辛いと感じることに対して感謝することについては、またの機会にということで文章を結びました。
そのことについて、今日は日本を、そして世界を恐怖へと駆り立てている新型肺炎が拡大していることについて、感謝ワークをしていきたいと思います。
「え!そんな!新型肺炎に感謝できることなんてあるわけないじゃないか!!」
という声が聞こえてきそうですが、必ずあるのです。
というのは、この世界はすべからくプラスとマイナスのバランスでできていて、どちらか片方では成り立たない様になっているからです。
物理学者はそのことをよく知っていて、物質の最小単位である素粒子はプラスとマイナスの電子がペアになって存在しています。
私たち人間は、生きていく上で、物事を判断しなければなりません。
遠い昔から、「この道を行けば安全だ」(良い)、反対に「この道は危険だ」(悪い)と決めないと、途中で危険に出会し命を落とす結果につながりかねなかったのです。
遺伝子に刻まれたその思考パターンを、現代人である私たちもずっと繰り返してきたのです。
そして、私たちは自分自身の信念か、もしくは他人から注入された信念かの差はありますが、物事を判断(ジャッジ)し、「良い」「悪い」の二元論で思考する様になっています。
しかし、前述の通り、この世界はバランスでできていますので、どんな出来事もプラスもしくはマイナスのみということはありません。
今日は、感謝の中でも難しい方の、自分にとって都合の悪いことに対し、どの様に感謝できるのかを書き出してみたいと思います。
ざっと書いただけで、私の中で今回、新型肺炎の感染が拡大することに関して感謝できることは、この様なことがあります。
・健康であることに当たり前だと思わずに感謝する。
・健康を大切にし、身体を整えるための策を考える。
・免疫力を高めるために食事や睡眠をしっかりとる。
・マスクが売り切れで足りないなら、自分で作るなど創意工夫する様になる。
・外出を少なめて家にいることで時間ができる。
・家族とのコミュニケーションが増える。
・本を読むなど知識を増やす時間ができる。
・自分を見つめ直す時間が増える。
・外食を少なめ自炊することで、料理の楽しさを知る。
・家族と普段はゆっくり話ができなかったことを話すことで、よりお互いの理解が進む。
・自分や家族の安全は自ら守ろうという主体的な意識が生まれる。
・マスコミなどの情報を鵜呑みにせず、自ら収集する様に努力する。
・家にいることでお金をあまり使わないため貯蓄ができる。
・人混みの多い都会への旅行を避け、田舎を旅する人たちが増え、地方が見直される。
・感染するリスクが比較的低い、田舎に自分が暮らしていることに感謝する。
・人と直接会わずに交流したり、仕事をしたりする技術(ZOOMやテレワークなど)のニーズが高まる。
・国家間でも人の行き来が減ることで、最近の世界的傾向である自国主義が進むと逆に経済への悪影響となることへの認識が進む。
・新型肺炎の様なリスクに左右されないビジネスは何かを考えるきっかけになる。
・いざ感染した際にどの様に対応するか考えることで危機管理の仕組みが個人や企業にできあがる。
・最悪のシナリオを想定し対応策ができることで、必要以上の不安を抱かなくなる。
20個の感謝が出てきました。
これらは一次的な感謝できることですが、更にもう一段、そしてもう一段と三段階まで感謝できることを深掘りしたとすると、全部で60個の感謝が見つかることとなります。
これだけ感謝が見つかってきたら、新型肺炎に対しての捉え方も変わってきますね。
もちろん、私も感染ができる限り拡大せず、早く収束に向かって欲しいと願っています。
しかし、それは自分がコントロールできることの外にあります。
人生や仕事の結果は、物事をどの様に認識し、どう行動したのかによって大きく変わってきます。
私たちは、毎日朝起きてから、何を食べるか、誰と会うか、何を話すか、などを全て自分の認識に基づいて決断しています。
その小さな決断の積み重ねが人生をつくっていきます。
この様に世の中が試練に面している時、ぜひ感謝できることを見つけてみてもらいたいと思います。
皆さんにとって、この試練が支援に変わっていくことを祈っています。 -
感謝ワークのすすめ
2020年02月08日
こんにちは。川中努です。
私は毎日、新聞から気になる記事を写真に撮って、時間のある時に「感謝ワーク」を行うことを習慣にしています。
何のためにしているのかというと、脳の前頭前野という部位を活性化するためにしています。
「は?前頭前野?」と思われる方もいらしゃると思います。
実は、前頭前野は“人間脳”とも言われているようで、元々は言語を司るらしいですが、ここが活性化してくると長期記憶や他者貢献につながっていき、更には視覚と連動しビジョンが見えたりするらしいのです。
そうです。あの「ビジョナリー・カンパニー」のビジョンです。
つまり、そのような会社はより人間らしく、長期的、かつ他者貢献的な視点で物事を見れるから何百年と永続するのでしょうね。
前頭前野が人間脳と言われるのに対し、扁桃体は“動物脳”と言われます。
扁桃体は感情を司り、自分の身を守るための動物的本能を働かせます。
大昔、人間が荒野に出た時、獣に遭遇したとします。
この時扁桃体が発動し、逃げるか戦うかを本能的に判断します。同時に出る脳内物質が、かの“アドレナリン”です。
しかし、私たちはこの現代に於いて、猛獣に出会すことはなく、扁桃体を動かして生命を守る必要はそうそうありません。
なので、前頭前野を活性化して、より人間らしく幸せを感じながら、ビジネスや人生をデザインしていきたいですよね。
だいぶん前置きが長くなりましたが、そういう訳で私は感謝ワークを習慣にしています。
さて、では新聞の記事を使ってどのように感謝を見出しているのかを説明します。記事は自分とは直接関係のない出来事なのですが、まずこの記事の中に一般的に感謝できることを見つけます。
例えば、ここ松江のとある地区で、地域の四季の風景を描いた絵の展示会があったという記事があるとします。
まず初めに、地域の高齢の住民の方たちが、この展示会を楽しみにしていること。生き生きと絵を描くことに生きがいを見いだされていることへの感謝を書き出します。
これは一般的な感謝ですが、感謝を書くたびにその抽象度を段々と低くしていきます。
前述の例の続きとして、そんなおじいちゃん、おばあちゃんの様子を見た家族も元気をもらい、ひいてはその地域が明るくなっていくことに感謝します。
そして、最後には自分にとって具体的に感謝できることは何かまで結びつけて書き出していきます。
例えば、私は会社経営者ですので、自分の経営を通じて、しかも当社のミッションに生きていくことで、地域を元気にしていけることに感謝しますと書きます。
ここまでいくと、新聞の記事が自分自身に直接関係するメリットとして感じられます。
人は自分が大切にしていること、言い換えると自分の最高の価値観にメリットがあると感謝を抱きます。
感謝は自分にとって、いつも都合のいい形で現れる訳ではありません。
時として、いや自分が成長したいと思えば思うほど、それは試練つまり嫌なことだったり、辛いこととして現れます。
そういったことに対して感謝を見出していくのは、今日書いたことより上級編なので、また次回書いてみようと思います。
ポイントは考えるのではなく書き出すことです。ぜひ感謝ワーク、やってみてくださいね(^ ^) -
立春に出雲の酒蔵見学
2020年02月05日
こんにちは。川中努です。
立春の昨日は去年から企画していた、お客様である星野リゾート・界出雲の社員の皆様の酒蔵見学に加わらせていただき、出雲市にある富士酒造さま(出雲富士)と旭日酒造さま(十旭日)を訪問しました。
朝JR出雲市駅で待ち合わせをした時、皆さん女性社員の方達ばかり11名ということで最初は多少緊張しましたが、そこはさすが接客のプロの方たちばかり。すぐに仲良くしていただきました。
中には、昨年新卒で入社した方たちもいらっしゃり、出身地も山形、愛知、大阪、奈良、福岡、佐賀など全国津々浦々。
皆さん、島根に赴任して出雲の地酒と出会い、魅力にハマっていったとのことです。どなたも蔵見学を楽しみ、主体的にもっと学んでお客様に伝えたいという意欲に満ちていらっしゃいました。Sさん始め上司の方たちがいいチームの雰囲気をつくっておられるなと思いました。
出雲富士さんでは2班に分かれ、蔵見学と試飲をさせていただきました。蔵見学は昨年、奥出雲葡萄園の小公子収穫の際に一緒になった、前職は鳥取医大で研究職をしていた蔵人の方が、試飲は杜氏の今岡専務が担当していただきました。
蔵は普段は一般の見学を受け入れておらず、写真もSNSへの投稿は禁止ということでした。今岡専務がお話になられたのは、「ネット社会で便利になったが、こうやって足を運んできてくれる方、人間関係ができている方と、ネットで物を買う方と、同じ扱いにしたくない。自分たちは人と人との繋がりを大切にしたい。」という思いがあるということでした。
蔵は入る前、入った後も、30秒の手洗いを徹底し、当社以上に4S(整理・整頓・清潔・清掃)を徹底しておられることがよく分かりました。お酒という口に入る物を製造している場所として、こちらなら安心・安全です。
出雲富士さんでは、敢えて手間隙をかけて昔ながらの木槽絞りにこだわってつくっておられ、その機械も今やメンテナンスできる専門業者がいないので、自分たちで柿渋を塗ったり、できないことは大工さんにお願いしたりしているとのことでした。
発酵の過程も見させていただきましたが、とても丁寧に温度管理をされていて、最近の暖冬でも意図的に操作して酒造りをするのではなく、与えられた条件の中で如何に自分たちの酒をつくるかということに挑戦されているといいことがよく分かりました。
試飲は、純米(白ラベル)・特別純米(黒ラベル)・純米吟醸超辛口(青ラベル)・純米吟醸(赤ラベル)・純米大吟醸「天の叢雲」(あまのむらくも)・雲のゆず酒・雲の梅酒をさせていただきました。
JR西日本のトワイライトエクスプレス瑞風にペアリングで採用が決まった青ラベルが好評でした。皆さん、普段出されているお酒を職場では飲めないので、いい機会になったと喜んでおられました。
午後からは十旭日さんにて見学をさせていただきました。こちらでは、副杜氏の寺田栄里子さんに蔵見学と試飲をご担当していただきました。
ちょうど、14時から蔵として初めての試みを、これも SNSに投稿は不可だけど見学をさせていただける幸運に恵まれました。
お米から徐々にお酒に変わっていく過程をタンクで見せていただき、発酵する様子を嬉しそうに話す寺田さんとそれを聞く皆さんの様子が印象的でした。各過程で香りの違いも感じることができ、貴重な機会となりました。
お店はちょうどこの日から、昔の旭日酒造の様子に戻すための改装が始まり、去年取得された隣のレンタルスペース中町で試飲をさせていただきました。十旭日のお酒を様々な温度帯で燗しながら楽しむことができました。
立春の一日に見学させていただいた2つの酒造会社さま。どちらも自分たちのミッションを明確にさせていることでの違いが明確になっていて素晴らしかったです。
また、そのような酒蔵さんとお客様を橋渡しすることも当社のミッション・ステートメントにある「つながりを生み出す」をまさしく現実化させていただいてる瞬間でした。
今日ご一緒させていただいた星野リゾート・界出雲さまは、松江市玉湯町の玉造温泉にある旅館です。こちらでは、日本酒発祥の地・島根を体験していただけるように、スタッフの方たちが様々な工夫を凝らしていらっしゃいます。
中でも日本酒バーは、多くの種類の島根の地酒を気軽に楽しんでいただけるとても魅力的な施設です。縁結びの地・出雲に旅行をお考えの方は、ぜひ界出雲さまへお泊まりになられてはいかがでしょうか。